ツツジ・オオムラサキ ガーデニング知識
No.12
西洋シャクナゲ

ガーデニングに関する知識や知恵・技(わざ)を記述します。
皆さんの知恵と技もぜひお聞かせください♪

ツツジ属

  

◆【ツツジ属とは
●ツツジ属(Rhododendron)は、1000種以上からなるツツジ科最大のグループで、中国・ヒマラヤ地域を中心として北半球に広く分布。落葉または常緑の木本植物で、樹高10cmにも満たない匍匐する種から30mにも達する大高木まであり、花や葉の形態も変化に富んでいます。
●花が美しいため数多くの種が世界各地からヨーロッパに導入され、多くの園芸品種が生まれました。日本でも古くからツツジが改良され親しまれてきました。
●ツツジ属は多くの種があるために、花芽の位置、葉や毛の形態などによって8亜属12節に分類されています。

  

◆[ヒカゲツツジ亜属]
葉や花に鱗状毛を持つツツジ属最大(542種)のグループ。有鱗片シャクナゲとも呼ばれます。3節に細分されます。
●[ビレア節]
300種が主にニューギニアやボルネオ島など東南アジアの熱帯高地に分布。樹木や岩に着生して生育。耐寒性はありませんが、色鮮やかな花色や四季咲き性など園芸的にも優れた特徴があります。園芸品種にビレアシャクナゲ(マレーシアシャクナゲ)があります。
●[ポゴナンツム節]
ジンチョウゲのような花形で植物体には線香のような独特な匂いがあります。21種がアフガニスタンからインド・ネパール・中国・ロシアに分布しています。
●[ヒカゲツツジ節]
約200種が知られ高山に自生する矮性種やユリのような花を咲かせる種など変化に富んでいます。ヨーロッパ・北米に数種自生しますがほとんどはネパール・ブータン・中国に集中して分布。日本にはヒカゲツツジエゾムラサキツツジサカイツツジカラムラサキツツジなどが分布。早咲きの性質や青・黄色の花色など優れた特徴があります。園芸品種には有鱗片シャクナゲやミニシャクナゲがあります。葉裏に小さい斑点(輪状毛)があり青、黄、紫など鮮やかな色が多いのが特徴です。

  

◆[シャクナゲ亜属]
●シャクナゲ亜属・シャクナゲ節は常緑の潅木から高木まで約300種が含まれます。北米に3種・ヨーロッパに3種が分布。その他はアジア、特にネパール・ブータン・中国(四川・雲南省)地域に集中分布。日本にはヤクシマシャクナゲホソバシャクナゲアズマシャクナゲキバナシャクナゲハクサンシャクナゲの5種が分布します。
●西洋シャクナゲや単にシャクナゲと呼ばれるものはこのグループの園芸品種です。プラントハンターによって19世紀に多くの種が主に中国からイギリスに導入され数多くの園芸品種が作り出されました。特に日本原産のヤクシマシャクナゲは花や葉裏の毛が美しく、コンパクトな樹形になることから交配親として世界中に利用されています。

  

◆[ツツジ亜属]
春以外にも夏に出葉して越冬する葉を持つヤマツツジ節と、3枚の葉が枝先に輪生するミツバツツジ節に分類されます。
●[ヤマツツジ節]
日本や中国東部・台湾・フィリピンに95種が分布します。この仲間は春に葉を出し、夏にもう一度花芽のまわりに小形の葉をつけます。花と葉が一つの芽の中に含まれる特徴は他のツツジ属には見られません。
日本にはヤマツツジサツキサタツツジキシツツジケラマツツジミヤマキリシマモチツツジなど鑑賞価値が高い種が自生し古くから多くの園芸ツツジが栽培されてきました。園芸品種にはクルメツツジ・ヒラドツツジ・オムラサキツツジ・アザレア(西洋ツツジ)などがあります。
●[ミツバツツジ節]
24種が台湾・中国・日本に分布しています。そのうち20種が日本固有です。花色が朱色のオンツツジと紫色のミツバツツジ(コバノミツバツツジ・トウゴクミツバツツジなど)の2つのグループに大別されています。

  

◆[レンゲツツジ亜属]
落葉性の潅木でアジア・ヨーロッパ・北米に29種が分布します。
●[レンゲツツジ節]
日本・中国に1種、ヨーロッパに1種、残りの21種はすべて北米に分布します。日本のレンゲツツジはここに含まれます。主にイギリスで交配育種され、黄色が鮮やかで香りのあるエクスバリーアザレア(ニオイツツジ)が作出されました。
●[シロヤシオ節]
4種が含まれこのうち3種(シロヤシオ・アカヤシオ・クロフネツツジ)は朝鮮半島からロシアに分布します。
●[オオバツツジ節]
オオバツツジは本州の日本海側の多雪地にのみ分布する落葉ツツジです。
●[ロドラ節]
日本に分布する種はありません。

  

◆[セイシカ亜属]
常緑性の潅木で30種が中国からマレーシア半島・台湾・日本に分布します。ツツジ属はほとんどが花芽を枝の先端につけますが、このグループは先端に葉をつけその下の腋芽に花をつけます。
●[セイシカ節]
日本には2種、アマミセイシカセイシカが鹿児島県(奄美諸島)から沖縄県に分布します。
●[トキワバイカツツジ節]
日本には1984年に四国で発見されたトキワバイカツツジ1種が分布。果実を覆うほどの大きな萼(がく)が特徴です。

  

◆[バイカツツジ亜属・エゾツツジ亜属・カンディダストルム亜属]
バイカツツジ亜属には日本固有種であるバイカツツジ1種のみが含まれます。セイシカ亜属と同じく芽の下に花を咲かせます。エゾツツジ亜属は日本にエゾツツジ1種が分布します。カンディダストルム亜属には日本に分布する種はありません。

  

◆【解説
●植物分類学上では、分類階級が「科→属→亜属→節→種」と上位から下位に細分され、すべての植物が階層的に分類されています。
●ツツジ属(学名Rhododendron)には、ツツジ類はもちろんシャクナゲ(ニホンシャクナゲ・西洋シャクナゲ)、アザレア(西洋ツツジ)が含まれます。
●「ツツジ」は万葉の時代からツツジの名で呼ばれてきました。花形の「筒咲き」から転化したと考えられていますが、英名では「アザレア」といいます。アザレアとはギリシャ語の「乾く」という意味で、コーカサス地方の乾燥した環境に自生していることから名づけられたといわれます。

  

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