デラウェア ガーデニング知識
No.5
ピオーネ

ガーデニングに関する知識や知恵・技(わざ)を記述します。
皆さんの知恵と技もぜひお聞かせください♪


ブドウの栽培

  

◆【ブドウ栽培の魅力
ブドウは家庭で手軽に栽培できる果樹です。北は北海道から南は九州、沖縄まで日本全国で栽培できることも庭先果樹として最適です。土地がなくても鉢づくり栽培も可能です。ブドウは木がつる性なので庭植えでも鉢植えでもさまざまに仕立てることができます。また、ブドウは栽培が比較的容易で、植え付け後3年で実もなります。ほんとうに魅力的な家庭栽培に適した果樹ですね。本ページでブドウに関する知識を学び、ブドウ栽培に挑戦してみませんか!

  

◆【本ホームページ上の関連記事
本ホームページに掲載の「ブドウに関連するページ」はつぎのとおりです。
四季の手入れ・ブドウ
手入れのポイント・ブドウ

  

◆【ブドウ栽培の知識
[日本のブドウ栽培]
日本でのブドウ栽培面積は約3万ヘクタール、このうち山梨県がもっとも多く、ついで山形・長野・岡山・福岡県が多く栽培しています。品種別ではデラウェアが第1位、ついでキャンベルアーリー、マスカットベーリーA、巨峰、ネオマスカットなどが多く栽培されています。日本で多く栽培されているこれらの品種は、樹勢も強く栽培しやすいブドウです。
[苗木の選び方]
市販されている苗はつぎ木苗です。つぎ木部がコブ状でなく、きれいに肉が上がっている苗を選びましょう。また、根張りがよく枝に丸味(枝の断面が円形)があり、そして、樹皮が品種特有の色をしている苗がよい苗です。樹皮の色は、アメリカ種は赤褐色、ヨーロッパ種は灰褐色をしています。
[繁殖方法]
ブドウは病害虫に免疫をもった台木につぎ木するのが原則ですが、我々アマチュアには難しいですね。挿し木は比較的容易に活着しますが根にアブラムシが寄生し木が衰弱する場合があります。はじめて栽培する場合は苗木の購入が無難です。
[摘房]
よい果実をつけるために1新梢あたりの房の数を制限します。品種によって違いますが、キャンベルアーリーは1〜2房、デラウェアは2〜3房、巨峰群品種では1房が目安です。鉢づくりの場合はこれよりも1房程度少なくします。房数が多い場合は開花前に摘花房をします。新梢の先端のほうの房を切り落し枝元に近い房を残します。摘房は開花前、実が止まってからの2回に分けて行ったほうが安全です。
[房の整形]
花振るい(開花しても実が止まらない)をしやすいキャンベルアーリーや巨峰などは、これを防ぐために、開花前に花房の肩の部分(岐肩)を切り落し、花房の先端1/3くらいを切り詰めます。
[新梢の摘心]
花振るいしやすい品種には新梢の摘心を行います。結果させたい花房の先の葉を5〜6枚くらい残しその先の新梢をハサミで摘みとります。開花5日前くらいに行ないます。
[副梢かき]
新梢が伸びるにしたがって出てくる副梢をハサミで切り除きます。副梢は葉を1〜2枚残して先端を摘みとります。さらにそこから出る副梢も同様に1〜2葉残して摘心します。また、花房の反対側の副梢は必ずかきとります。
[巻きひげとり]
新梢が伸びるにしたがって新梢に巻きひげが出ます。巻きひげは葉が変形したもので、巻きひげをそのままにしますと栄養分を無駄にとられますから発生しだい切りとります。
[新梢の誘引と結びつけ]
新梢が伸びるにしたがって棚や垣根などに誘引して結びつけます。葉に日光がよく当たるように適当な間隔で新梢を誘引し、ひもで結びつけます。棒仕立てなどは支柱のところどころに長いひもを結び、これで新梢の間隔をとるようにします。
[摘果粒]
果粒が大きくなる品種は、果粒がアズキ大になったら2〜3cm間隔になるように果粒を間引きします。鉢づくりでは少し間隔をつめます。
[かさかけ・袋かけ]
果粒の日やけや鳥の被害を防止するために「かさかけ」を行います。また、アケビノコノハガやスズメバチの被害を受ける場合にはクラフト紙か新聞紙の袋をかけます。新聞紙の袋の作り方はこちらをご覧下さい。


  

◆【ブドウの仕立て方
ブドウはつる性の樹木でかなり自由に仕立てることができます。鉢づくりの場合は越冬管理が簡単です。
[棒仕立て]
垂直に立てた支柱に親枝を誘引して直立に伸ばし、それを主幹としてそこから交互に側枝を出させる仕立てです。その側枝に結果する場合もありますが、その側枝を短梢剪定などにより切りもどし、それから出た新梢に結果させます。
[棚仕立て]
地上1.8mくらいの位置に棚をつくって誘引し、棚上から結果させます。年数を経た木では、主幹、主枝、亜主枝があり、主枝、亜主枝より結果母枝が出て、その結果母枝より出る新梢に結果します。棚仕立てには、1本の主枝を出させる直線仕立てと、主枝を主幹の両側に分けて仕立てる二分仕立て、さらに、主枝を4本に分ける自然形整枝(X形)仕立て、平行形整枝(H形)があります。
[垣根仕立て]
既存の垣根または栽培用に簡易な垣根を作り、これに誘引させる仕立てで、主枝を片方に出させる水平片翼仕立て、主枝を両側に出させる水平両翼仕立てがあります。垣根にもよりますが地上50cmくらいに主枝を地上と水平に伸ばします。主枝から出る亜主枝に結果母枝が出て、その結果母枝より出る新梢に結果します。
[鉢仕立て]
棒仕立て
上述の庭植えの棒仕立てと同じ仕立てです。主枝を1本直立に伸ばします。
2本仕立て&3本仕立て
棒仕立てから主枝を2本または3本に分ける仕立てです。
行燈(あんどん)仕立て
行燈形に支柱を立てて誘引する仕立てです。
2本U字仕立て
主枝を2本U字形に立ち上げる仕立てです。
円形仕立て
主枝を円形に曲げて円形状につくる仕立てです。

  

◆【ブドウの整枝剪定
[剪定時期]
休眠期が原則ですが、積雪のある地域では落葉直後の剪定(11月)も可能です。
[幼木の剪定]
植え付けてから1年目は予備枝を切り、まっすぐ伸びている枝の先端を1/3〜1/5程度切りつめる。植え付け後2年目は主枝を伸ばし始めます。
[剪定の方法]
前年に伸びた枝のうち、多すぎるものや枯れ枝などを基部から除去する「間引き剪定」を行ったり、枝を切りつめる「切りもどし剪定」を行います。切りもどし剪定の方法は次のとおりです。
短梢剪定
基部より2〜3芽を残す剪定で、比較的樹勢の弱い品種(キャンベルアーリー、マスカットベーリーAなど)に適用します。
中梢剪定
基部より4〜6芽を残す剪定です。ナイアガラ、ポートランド、オンタリオなどの品種に適用します。
長梢剪定
基部より7〜9芽を残す剪定で、比較的樹勢の強い品種(巨峰群品種、ネオマスカット、コウシュウ、デラウェアなど)に適用します。
超長梢剪定
基部より10芽以上残す剪定です。長梢剪定の適用品種に実施してもよい剪定方法です。


  

◆【ブドウ剪定の注意事項

  1. 犠牲芽剪定を行う
    剪定の際は凍結を防ぐため残す芽の1芽先の犠牲芽にハサミをかけて切ります。この剪定により切断した犠牲芽の節壁が残り、残す芽を寒さから保護します。耐寒性の弱い品種は必ずこの方法で行います。上述の日本で多く栽培されている品種では、巨峰、ネオマスカットがやや耐寒性の弱い品種です。デラウェア、キャンベルアーリー、マスカットベーリーAは耐寒性が強い品種です。

  2. 負け枝をつくらない・・
    ブドウの剪定で大切なことは、負け枝をつくらないことである。つまり、主枝よりも太い亜主枝や側枝をつくらないことです。負け枝をつくらないためには株元に近い枝ほど長めに剪定します。負け枝により枯死することもありますので注意しましょう。

  3. 剪定は軽めに・・
    若木は剪定を軽めに行います。年数を経た木は弱い枝を強めに剪定し、強い枝は弱めに剪定します。

  4. 切り口の処置
    太い枝を切った場合は、切り口に癒合剤を塗布し枯れ込みを防ぎます。

  5. 粗皮けずり
    カイガラムシなどの発生が多い場合は、主幹や主枝の皮を小刀などでけずります。適期は3月〜4月の樹液活動期に入ってからです。

  6. 環状剥皮
    実どまりをよくするために成木に環状剥皮を施す場合があります。主幹の樹皮部を幅1cmくらい木質部にかけて1周分切り除きます。

  

◆【ブドウに発生する病害虫
ブドウ栽培では適切な管理を行っていれば、病気や害虫に神経質になる心配はなく、薬剤散布も多くは必要ありません。下記は参考までにお読みください。
[黒痘病]
発芽期から落葉期まで発生し、枝葉だけでなく花房や果房もおかします。点点と黒い病斑が発生し生長を阻害します。休眠期のクロン加用石灰硫黄合剤20倍液が有効です。発生時市販の殺菌剤を散布します。
[褐斑病]
葉が展葉してから発生し、葉に褐色の多角形や円形の斑点がでます。殺菌剤を散布しますが、多く発生しなければ実害の少ない病気です。
[その他の病気]
つるわれ病は、梅雨期にかけて新梢や葉柄、葉脈に黒色の斑点やかさぶたをつけます。根頭がんしゅ病は、発芽期から落葉期に発生し根、主幹、主枝にコブができます。ウドンコ病は、開花前新梢に発生し葉が薄く黄色を呈します。もんぱ病は、発芽期から落葉期にかけて根に細菌がついて腐敗します。いずれも早期発見殺菌剤を散布します。
[アブラムシ・ダニ類・カイガラムシ]
発芽期から落葉期に発生し、葉や果粒の生長を阻害します。早期発見殺虫剤を散布します。冬期の石灰硫黄合剤散布が発生防止に有効です。
[ブドウスカシバ]
5〜6月中旬に枝に発生し、被害を受けた新梢は紫赤色に変わり先端が枯死します。早期発見殺虫剤を散布します。

SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送