◆【ブドウ栽培の知識】
[日本のブドウ栽培]
日本でのブドウ栽培面積は約3万ヘクタール、このうち山梨県がもっとも多く、ついで山形・長野・岡山・福岡県が多く栽培しています。品種別ではデラウェアが第1位、ついでキャンベルアーリー、マスカットベーリーA、巨峰、ネオマスカットなどが多く栽培されています。日本で多く栽培されているこれらの品種は、樹勢も強く栽培しやすいブドウです。
[苗木の選び方]
市販されている苗はつぎ木苗です。つぎ木部がコブ状でなく、きれいに肉が上がっている苗を選びましょう。また、根張りがよく枝に丸味(枝の断面が円形)があり、そして、樹皮が品種特有の色をしている苗がよい苗です。樹皮の色は、アメリカ種は赤褐色、ヨーロッパ種は灰褐色をしています。
[繁殖方法]
ブドウは病害虫に免疫をもった台木につぎ木するのが原則ですが、我々アマチュアには難しいですね。挿し木は比較的容易に活着しますが根にアブラムシが寄生し木が衰弱する場合があります。はじめて栽培する場合は苗木の購入が無難です。
[摘房]
よい果実をつけるために1新梢あたりの房の数を制限します。品種によって違いますが、キャンベルアーリーは1〜2房、デラウェアは2〜3房、巨峰群品種では1房が目安です。鉢づくりの場合はこれよりも1房程度少なくします。房数が多い場合は開花前に摘花房をします。新梢の先端のほうの房を切り落し枝元に近い房を残します。摘房は開花前、実が止まってからの2回に分けて行ったほうが安全です。
[房の整形]
花振るい(開花しても実が止まらない)をしやすいキャンベルアーリーや巨峰などは、これを防ぐために、開花前に花房の肩の部分(岐肩)を切り落し、花房の先端1/3くらいを切り詰めます。
[新梢の摘心]
花振るいしやすい品種には新梢の摘心を行います。結果させたい花房の先の葉を5〜6枚くらい残しその先の新梢をハサミで摘みとります。開花5日前くらいに行ないます。
[副梢かき]
新梢が伸びるにしたがって出てくる副梢をハサミで切り除きます。副梢は葉を1〜2枚残して先端を摘みとります。さらにそこから出る副梢も同様に1〜2葉残して摘心します。また、花房の反対側の副梢は必ずかきとります。
[巻きひげとり]
新梢が伸びるにしたがって新梢に巻きひげが出ます。巻きひげは葉が変形したもので、巻きひげをそのままにしますと栄養分を無駄にとられますから発生しだい切りとります。
[新梢の誘引と結びつけ]
新梢が伸びるにしたがって棚や垣根などに誘引して結びつけます。葉に日光がよく当たるように適当な間隔で新梢を誘引し、ひもで結びつけます。棒仕立てなどは支柱のところどころに長いひもを結び、これで新梢の間隔をとるようにします。
[摘果粒]
果粒が大きくなる品種は、果粒がアズキ大になったら2〜3cm間隔になるように果粒を間引きします。鉢づくりでは少し間隔をつめます。
[かさかけ・袋かけ]
果粒の日やけや鳥の被害を防止するために「かさかけ」を行います。また、アケビノコノハガやスズメバチの被害を受ける場合にはクラフト紙か新聞紙の袋をかけます。新聞紙の袋の作り方はこちらをご覧下さい。 |