◆【動物散布】 動物に種子を運ばせる方法で、次の4通りの方法があります。
●[鳥による散布] 鳥が果実を食べることで種子を運ばせる方法です。
鳥によって散布される果実の多くは、硬い種子が可食部分である果肉に含まれています。鳥は果実を丸飲みにして、消化されない種子を糞とともに排出します。果肉の部分は発芽しやすい状態で種子を散布させます。
また、ナナカマドなどの赤色の実は鳥には見えやすく昆虫に見えにくいといわれています。ヒメアオキ、ツリバナ、ウメモドキ・・と赤い実は多いですね!
●[貯食による散布] 貯食とは鳥やリス、ネズミなどの小動物が後で食べるために種子を地面に埋める行為です。
食べられずに土中に残された種子は、自然落下して地上に散布されたものより発芽環境が良いと考えられています。この散布方式の植物には木の実が小動物の食料となるコナラやクヌギなどがあります。
●[アリによる散布] アリに種子を運ばせることで種子を散布する方法です。
スミレ属の種子の表面には、アリの好物である物質がついています。このため、地面に落ちた種子はアリによって巣に持ち帰られ、遠くまで種子を散布することができます。種子にこのような物質をもつ植物にはナカハシスミレ、カンアオイ、エンレイソウなどがあります。
●[付着散布] 種子の周りにある先の曲がったとげを持つオナモミやヌスビトハギ、種子の表面から粘液を出すメナモミなどは鳥の羽や動物の毛などに付着して種子を運ばせます。
マジックテープは野性のゴボウの種子のかぎ状の形をヒントにスイスで発明されたといわれます。
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