◆日本の国土は南北に細長く、たくさんの種類の植物が分布しています。植物の分布の仕方は2つあります。
●一つは自然分布で、これは自然界に生育する(自生する)植物の分布の仕方をいいます。この中でも北と南によって異なる植物の分布の仕方を水平分布、土地の標高によって異なる植物の分布の仕方を垂直分布といいます。
◆もう1つは植栽分布で、こちらは植栽する植物が環境に順応して生育できる分布の仕方をいいます。植物は人間の育成保護によって生育の地域を広げますが、逆に、伐採や乱獲などで植物の生育環境を大きく変えたり破壊したりします。
【水平分布】
平地でも北と南では生えている植物の種類が異なるのは、温度が異なるからです。植物はそれぞれ生長するために適した温度があります。そのため寒い地方と暖かい地方では、植物の生えている種類が異なります。日本の植物の水平分布は、大きく4つに分けられます。
[亜寒帯]:
北海道全域です。エゾマツ・トドマツなどの針葉樹林帯を形成します。
[温帯]:
東北・北陸・関東・中部地方です。ブナ・ミズナラなどの落葉広葉樹林帯を形成します。
[暖帯]:
近畿・中国・四国・九州地方です。クスノキ・カシ類・シイなどの常緑広葉樹林帯を形成します。
[亜熱帯]:
九州の鹿児島県南端から屋久島・沖縄県の島々までです。ソテツ・ヘゴ・マングローブなどの熱帯性植物が自生します。
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