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”フラワーショー”世界植物展

◆４月１６日（火）〜６月１６日（日）新潟県・新津市にある県立植物園で開催された「世界植物展」を紹介します。
地球上に陸上植物が出現したのは４億年前で、現在３０万種の植物が地球上に生育しています。世界には、熱帯から温帯、寒帯、乾性のサバンナや砂漠など温度や雨量によってさまざまな環境が存在しています。植物は形や生育方法を変えて生育地の環境に順応してきました。アフリカ、南米、北米、ユーラシア、オーストラリアの５大陸別に、生育の環境や植物を紹介します。多くの展示植物のなかから３種類を紹介します。

◆アフリカ〜乾燥に耐える植物たち〜
アフリカ大陸は、その７０％の面積が乾燥や半乾燥地帯です。年間降水量200ｍｍ以下の砂漠には植物は生育できません。半乾燥地帯はサバンナや低木林地帯で、平均気温２０℃以上、降水量1000ｍｍ前後では、イネ科の草本や、草原ではマメ科、トウダイグサ科の木がまばらに生える程度です。乾燥に対応してサボテンのように葉を刺に変化させたり、乾季に葉を落したりして、葉からの水分の蒸散を防いでいます。

◆南米〜大草原を作る植物たち〜
雨季と乾季が半年毎に訪れる半乾燥地帯は、パンパといわれる草原です。パンパは主にアルゼンチンの北部にあり、牛や馬の牧場として利用されています。イネ科植物が主に生育し、マメ科のアカシヤの仲間がまばらに生育しています。熱帯のサバンナは枯死した植物の分解が早く土地がやせていますが、パンパなどの温帯草原では、冬期の低温が影響し枯死した植物の分解が遅いため土地が肥えています。

◆北米〜針葉樹林帯の植物たち〜
北米の針葉樹林帯は生育環境から大きく３つに分けられます。１つは、北林帯で、最も寒冷な地域であり北極圏を取り巻くように分布しています。森林はトウヒやモミの仲間からなり、針葉樹以外は少なくポプラやカバノキの仲間が見られる程度です。２つは、山岳林で、大陸の中西部にある巨大なロッキー山脈に見られる森林は、変化に富んだ環境のなかで極めて多くの樹種が生育しています。３つは、温帯性針葉樹林で、大陸の太平洋岸に位置し暖かく雨も多く、レッドウッド、ビッグツリーなどの巨木が見られます。

◆ユーラシア（アジア・ヨーロッパ）〜高山を彩る美しい花々〜
標高が高いため、森林を形成できないほど環境が厳しい場所では高山植物が見られます。これらの植物は、生育に適した期間が短いため多年性の草本や小型の低木がほとんどです。高山の花は「ヒマラヤの青いケシ」のような鮮やかな色彩をもつ花が多くあります。紫外線が低地に比べて多いことと、短い春に多くの種が一斉に開花するため、昆虫にいかにアピールするかを競い合っているためといわれています。この地域に分布する植物は、シャクナゲやサクラソウなど、日本でもなじみのある植物の仲間が多く見られ、世界中で園芸化されています。

◆オーストラリア〜海に隔てられた大陸〜
オーストラリア大陸は、コアラ、カンガルーなどに代表される特異な動物が生息しています。２億年前は５大陸は１つにつながっていましたが、地殻変動で一番早く分離したのがオーストラリア大陸です。独自の進化で固有な植物が生育しています。ユーカリに代表されるフトモモ科やプロテア・バンクシアなどのヤマモガシ科の種類が多いことが特徴です。