◆地球上には約95種が自生します。日本をはじめ中国、朝鮮半島を中心に広く北半球に分布し、南はインドの高地から、北はシベリアやカムチャッカまで分布しています。 ◆ユリの正式名・リリウムの名前は、聖母マリアの受胎告知の絵に画かれている白いユリ、マドンナ・リリーにつけられたラテン語のリリウムに由来するそうです。英語のリリーは、また純潔な人をさしますがまさに純白のユリは純潔そのものですね。
◆和名のユリの由来は、茎の太さにくらべて花が大きく重く、そよ風にもゆれ動くためユリと名づけられたとも、また、球根の鱗片が重なり合っている様子から、百合と呼んだことから名づけられたとも言われています。
◆ユリの主な品種をご紹介しましょう。
●[テッポウユリ]
花形がラッパ銃に似るところから名づけられた。奄美・沖縄諸島が自生地で、九州、四国にも野生化している。沖永良部島では4月下旬から開花。筒形で横向きの花は長さ15cm以上で純白。アメリカのイースター(復活祭)の必需品でもあります。
●[タカサゴユリ]
台湾が自生地であるが日本でも半野生化している。葉は細く密生し草丈が高く、花筒が細く花被片の外側は紫褐色をしています。
●[シン(新)テッポウユリ]
テッポウユリとタカサゴユリの交雑種。幅広の葉をもつ純白の花は、実生1年で開花する。テッポウユリの切り花の大半を占める。花期は8月〜10月です。
●[オウカンユリ]
中国四川省原産で花形はテッポウユリに似ており葉は細く密生する。花色は外側は淡紫褐色、内側は白色で基部は黄色である。花期は6月〜7月です。
●[アジアティック ハイブリッド]
アジア原産のスカシユリ、オニユリなどの交配種。花は受け咲きで橙赤色系で紫褐色の斑点が入る。草丈80cm程度、多花性、葉腋にむかごができる。ほかに黄色花、黄橙花、濃橙花、濃赤花、純白花の品種があります。
●[スカシユリ]
花弁に茶褐色の斑点があり野生種をイワトユリとも呼んでいる。日本海沿岸のものは5〜6月咲きでハルスカシユリ(イワユリともいう)、太平洋岸のものは6月下旬〜7月中旬咲きでナツスカシユリとも呼んでいる。エゾスカシユリより弁質、葉質が少しかたく、つぼみの毛もほとんどありません。
●[エゾスカシユリ]
シベリア、中国北部、北朝鮮、カムチャッカ、サハリン、北海道に分布。茎の上半分やつぼみに綿毛を密生し葉は披針形。花は径10cmの受け咲き、橙黄色で紫褐色の斑点をもつ。花期は5月中旬〜下旬。食用としても栽培されています。
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