[洋ギク]
●ヨーロッパへは、1688年にオランダ人・プレイニウスが日本から取り入れ栽培したのが最初といわれています。その後、1789年中国から白や赤紫などのキクが南フランスに広がりヨーロッパに定着しました。さらに、1790年にはイギリスに渡り園芸家の間で高く評価されました。以後は、中国からイギリスに新品種が移入されました。
●ヨーロッパでは、1826年ごろから独自に品種改良が始まりました。1846年〜1864年にロバート フォーチュンが日本からイギリスに送った日本のキクも品種改良に大きく貢献しました。
●1880年代は、露地栽培できる品種が育成され、その後アメリカでは切り花用の改良種を生み、のちに洋ギクとして日本に逆輸入され、日本でも切り花栽培が行われるようになりました。現在では切り花用種も日本独特の品種が作り出され、洋ギクという区別はなくなりました。
【キクの種類】
◆[切り花ギク](一般に開花期により分類します)
[6〜7月咲きの夏ギク]:
10℃以上の夜温があれば花芽をつくり、その後は日の長さに影響されずに開花します。
[8月咲き]:
15℃以上の夜温があれば花芽をつくりますが、つぼみの発達は夏ギクより高温が必要で低温では発達しない品種です。
[9月咲き]:
15℃以上の夜温で花芽をつくり、その後は日の長さが短くなることにより開花します。
[秋ギク]:
最も一般的に栽培されているキクで、夜温が15℃以上で日の長さが約13時間以下のときに花芽ができ、日の長さが短くなるにつれて発達し開花します。
[寒ギク]:
秋ギクと花芽形成の条件は同じですが、その後花芽が発達する過程で高温だと抑制されます。また、花芽ができてから開花するまでの期間が長く13〜15週間かかり、自然開花では2月以降になります。
●日本ではこれらの開花期別に、品種を大輪、中輪、小輪に分けていますが、外国では一重咲き、半八重咲き、ポンポン咲き・・などと花形により分類しています。
|