◆オウバイは中国北部原産で、北海道から九州まで植栽されているモクセイ科の高さ1〜2mの落葉小低木です。
◆【オウバイの特徴】
●3〜4月ごろ、葉が出る前に径約3cmの黄色の花が咲きます。花の香りはありません。花冠の下部は細い筒形で、上部は6裂して平開し、2個の雄しべは内壁につき、蕚(がく)は6深裂します。
●枝は細く、四角形でややつる状になり、枝が地について発根します。葉は披針形で小葉が3個ある複葉で対生します。
◆【オウバイの類似種】
●[ヒメオウバイ]:花や葉が小形で耐寒性がやや弱く、露地では4月に開花します。
●[オウバイモドキ]:ウンナンソケイともいわれ、中国雲南原産でオウバイに似ていますが、常緑の三出複葉をつけややつる性です。5月に黄色花が咲き、花冠の上部は6〜10裂します。
●[キソケイ]:ヒマラヤ原産の常緑低木で、5〜6月に花冠の上部が5裂した黄色花が散房花序をなして咲き、葉は羽状複葉で互生します。
●[ソケイ]:花が白色で芳香があり、葉は羽状複葉で対生します。
◆【オウバイの管理】
●オウバイは耐寒性があり、東北地方までも植栽が可能ですが、キソケイは関東地方までが植栽範囲となります。
●オウバイの樹勢は強健で、日当たりのよいところならたいがいの場所で育ちますが、できれば粘質で排水のよいところが理想的です。乾燥にもかなり耐える性質をもっています。キソケイは半日陰でも育ちます。
●日当たりが悪かったり、窒素過多で枝が軟弱になると花つきが悪くなります。日陰にある株は日当たりのよい場所に移し、短くても太い充実した枝を出させることが大切です。
●オウバイは放任すると枝を四方に伸ばし、その湾曲した枝先が地に接すると発根してまた伸び、雑然とした樹形になってしまいます。
●萌芽力が強いので幹を1本立て、1.5mくらいの所から四方に枝を垂らすように仕立てる「スタンド仕立て」か、石垣や簡単な四つ目垣に枝を誘引して「生垣仕立て」にするとよいと思います。
◆【オウバイの利用・用途】
●庭木としてはスタンド仕立てや石づきに、また池の端の石組みに添えるのも風情があります。
●鉢植えや盆栽にも多く用いられています。梅雨期に雨が多いと枝の節ぶしに気根を生じ、醜くなりますので雨のかからぬ場所に移して管理をします。
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