◆【ヤブランの特徴】
●原産地は日本(本州以南)を含む東南アジアで、ユリ科の植物です。8〜9月に咲く淡紫色の穂状の花は清楚な美しさをもっています。秋から冬にかけて青紫色の果実をつけます。
●山野の木漏れ日の当たる日陰に自生する常緑の宿根草で、庭の下草、日陰のグランドカバーとして造園に使われます。北海道やヨーロッパの北部・中部では日の当たる所に適する宿根草として、花壇の縁どりや庭の植え込み、グランドカバーとして重用されています。また、アメリカでも人気の高い造園プランツの一つです。
●園芸的価値は決して高くはありませんが、都会の日当たりの悪い庭でも栽培ができます。暑さ寒さにも強いのですが、北海道の東北部など、また、その他の地方でも積雪がなく表土が深く凍る所では越冬は困難です。
◆【種類と品種】
●[ヤブラン]:
光沢のある常緑の細長い葉は、幅1cm、長さ30〜50cmで地際から多数発生します。葉の間から長い花茎を伸ばし淡紫色の小さな花が穂状に咲きます。花茎は葉と同じ長さか少し短い。塊状の根茎からイチゴのようにランナーを出して繁殖します。
クリーム色の斑が縞模様に入る美しい斑入り葉の品種もあります。花壇の縁どりや鉢植え、ときには切り花にも使われます。オキナヤブラン(新しい葉が黄色でのちに緑色に変わる)やシロバナヤブラン(花が白色)などもあります。
●[ヒメヤブラン]:
葉の長さ10〜20cm、幅2〜3cmでリュウノヒゲ(ヤブランの近縁種)と草姿が似ています。花茎は高さ10〜15cm、淡紫色の花が咲きます。縞斑、虎斑などの斑入り葉品種があります。
●[リュウキュウヤブラン]:葉は長さ30〜40cm、幅4〜7mmで暗緑色をしています。花茎は長さ25〜40cm、花は淡紫色で、ヨーロッパでは優れたグランドカバーとして定評があります。
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