オモトの実・1月 3 月弥生手入れ
オモト
オモトの花・6月

今回はオモトを紹介します。オモトは漢名を万年青(まんねんせい)といいます。丈夫で年中青い葉を保ち、お正月ごろには真っ赤な実をつけます。古くからおめでたい植物として、庭や鉢植えにして広く育てられています。鉢植えのオモトは、葉に斑が入っていたり葉姿が変わっていたり・・葉芸を楽しむことができます。


オモト

  

◆【オモトの特徴
●オモトは日本と中国に数種が自生しています。ユリ科オモト属の植物で、耐寒性のある常緑多年草です。
●日本には、北は太平洋側では宮城県の金華山、日本海側では能登半島、南は沖縄まで分布しています。山林に自生しているものは、葉が長く大きく、葉は緑一色で大葉系です。
●自生のオモトは落葉樹林の木陰で落ち葉の積み重なった層と、その下の礫層の間に根を張ります。直射日光の当たらない涼しい場所が生育環境に最適です。
●オモトは古来から薬用植物として採取され栽培されてきましたが、葉に斑が入ったものや形のよいものなどが珍重され、これらを基に現在まで600種ほどの園芸品種が作られてきました。

◆【オモトの観賞ポイント
●[地色を観る!]
葉の緑色を地色といいます。濃い緑一色であっても自然界の泰然とした強さを感じます。生命力の強さとともに縁起物として古来から珍重されてきた所以です。覆輪、縞、斑模様などの園芸品種も、地色が生きた色でなければ観賞価値がありません。
●[葉姿を観る!]
オモトには葉の形や色あいなど、さまざまな変化があります。葉姿がバランスがとれていること・葉姿が左右対称であること・葉に躍動感があること・株と鉢の調和がよいこと・などが観賞価値を高めます。


  

◆【管理と手入れ
●葉を美しく保ち花芽をつけるためには春から初冬は戸外で育てます。戸外では直射日光を避け、40〜50%程度遮光した風通しのよい場所で育てます。極端な日陰や強い日照では生育に悪影響を及ぼします。
●冬期は温度を0℃から2〜3℃に保ち、最高温度は15℃くらいで管理します。同じ温度を続けることは避け、昼夜の温度差をつけます。日中は通気をはかり寒風には注意します。窓際で3〜5時間日光に当てます。
●水やりは、年間を通し鉢上の表土が白く乾いたら与えます。鉢の底穴から流れ出るような水やり(抜き水といいます)を行います。この際には葉に水をかけてはなりません。
●春の中ごろから初夏の約2か月間、10日に1回くらいの割りで1000倍液を与えます。玉肥なども使用できます。
●繁殖は、桜の花見のころに株分けで殖やします。株分けは2年に1回行う植え替えのとき、大株に育ったものを2〜3株に分けます。また、実生でも繁殖できます。
●オモトに発生する病害虫は、赤星病、軟腐病、スリップス、カイガラムシ、ナメクジなどです。病原菌は高温多湿のところに発生しやすく、害虫とともに葉に被害を及ぼす前の早期発見が大切です。

◆【利用と用途
●玄関脇、池の端、灯篭に添えてなど・・和風の庭のアクセントとして利用します。
●鉢植えで葉芸を楽しみます。
●薬用として利用します。手や足、喉の腫れに、根茎をすって患部に貼ります。根には激しい作用の成分が含まれていますから内服はできません。

オモトの葉芸「ガーデニング豆知識」はこちら♪



灯篭裾の白覆輪
  オモト 観てね♪

◆【当家のオモト
●小庭に3品種が植栽されている・・今回オモトについて勉強する機会を得て、初めて小庭のオモトを近くで観察した。オモトは丈夫であり特に手入れをしなくても生長する。
●大葉の白覆輪がリンゴ樹下・灯篭の裾にある。35〜50cmもの長い葉に白い縁どりがある。日照や土壌など生育環境がよいのか生育がすこぶる良い。株も広がり、株分けで鉢にも移植した。下の画像の鉢はこの移植株であり、実がつくほど大株に生長している。消えかかった雪の下から覗いている真紅の実は美しく神秘的でもある。
●大葉白覆輪の株下に、葉の長さが30〜35cm、葉の縦方向に黄色の縞が入っている黄縞の品種がある。この株が実生であることを改めて思い出し感激している!・・10年も経つであろうか電車通勤をしていた頃、乗車駅ホームにあった坪庭のオモトが赤い実をつけていた。オモト愛好家であった通勤友だちのM氏が、駅員からいただいた実のうちの数粒を私におすそ分けをしてくれた。灯篭裾の大葉白覆輪の株下に実を埋め込んだ・・そんな記憶が昨日のことのように 脳裏によみがえってきた!
大葉白覆輪の長い葉がかぶさり少し気の毒・・そのうち広い場所に移植を・・とも考えている。
●葉の長さ15cmほどの小葉で、葉の表面に縦方向に1本隆起が出ている株が、硬い粘土系赤土のクロマツ樹下にある。日照条件はまだしも、硬い土壌では生育環境は決してよくはないが、株は数株に繁殖している。数十年前からあったが、この品種がおそらくは「1本竜」ではないかと思われる。
黒松の下で黒子役をしている。(*^_^*)


   雪の消えかかったオモト
雪の下で赤い実をつける・・縁起物として古来から広く栽培されてきました。
雪の下のオモトの実
雪の下から覗く赤い実・・なんと生命力が強いんでしょうか。

   株分けの鉢
上のオモトを株分けした鉢です。
クロマツ下のオモト
葉の表面縦方向に隆起がある!「1本竜」という品種と思われる。


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