シンパクの葉と梅飾り 12 月師走手入れ
シンパク
シンパクの葉とトンボ飾り

今回はシンパクを紹介します。シンパクはミヤマビャクシンの変種で、高山の岸壁などに生える常緑の針葉樹です。シンパクの盆栽はご存知でしょう。幹が捻転したり、あるいは幹の一部または大部分が白骨化した姿は、厳しい自然環境に自生する姿そのものです。盆栽の王者と言われています。


シンパク

  

◆【シンパクの特徴
●北海道、本州、四国、九州、朝鮮、千島、樺太に分布しするヒノキ科の常緑針葉低木です。主幹が横臥し、枝が屈曲斜上します。
●葉は鱗片葉が多く発生し、下枝に針状の葉が少し混じります。
●樹性が強く生長力が旺盛で、石灰質を含んだ土壌でよく生育します。

  

◆【盆栽の管理と手入れ
●酸性を含んだ用土の使用は避けます。浅間砂や富士砂など火山灰土を多く含んだ用土を使用します。
●風通しと日当たりのよい置き場所で管理をします。
●樹性はいたって強健ですから、多少水が多くても少なくても影響しませんが、乾きしだい水を与えます。葉水を多用するとハダニの防除に効果があります。
●施肥は、油粕を年に4〜5回与えます。
●繁殖は、3月中旬〜4月、6月中旬〜7月に挿し木で行います。樹性が強いので挿し木の活着率も100%です。
●植え替えは、春と秋に行えますが、古木を春に植え替えると鳥屋(とや)にかかることがあるので注意しましょう。用土は赤玉土に火山灰土を50〜70%混合します。
芽摘み:シンパクの芽は、小枝の先で個々の葉が集まって球状を呈し、心の先端で突出して伸びていきます。ほぼ形の整った樹冠の芽は伸びすぎないうちに指先で摘み取ります。生育期間中いつでも行うことができます。
●整枝:針金掛けによる整枝作業は、ほとんど1年を通して行えます。強く曲げたりする場合は生育期間を避けるのが無難でしょう。


  

◆【盆栽用語
舎利(しゃり):
舎利幹(しゃりかん)または捌幹(さばかん)ともいいます。過酷な自然環境に生きる樹木が、風雪や雪崩などによる根の損傷によって幹が部分的に枯れ、その幹から出ていた枝とともに白骨化した状態をいいます。
(じん):
自然の山野に自生する古木や、神社、古刹(こさつ)などに植えられている神木などの樹冠部や枝の一部が枯れて、長い年月を経て樹皮がはがれ、その心部が白骨化したものをいいます。神の状態によって、樹冠部にあるものを天神(てんじん)、枝にあるものを枝神(えだじん)といいます。
水吸い
シンパク、トショウ、ソナレなどの舎利幹で、水を吸い上げている生きた部分をいいます。舎利幹の白と、水吸いの茶褐色とのコントラストは盆栽美の対象となります。
鳥屋(とや):
鳥類の羽毛が抜け替わるときの言葉で、盆栽の古葉が枯れて脱落し、さみしくなった状態をいいます。とくにシンパクの山木を春に植え替えたとき、必要以上に多くの古葉を落とすことがあり、この状態を”鳥屋についた”などと表現します。

盆栽「ガーデニング豆知識」 ← こちらからご覧ください!



シンパクの盆栽 ・ 6月撮影
  シンパク 観てね♪

◆【当家のシンパク
●画像右の盆栽は、数年前に生垣のシンパクを直接鉢に挿し木をしたものである。縁起をかついで7本の寄せ植えにした。7本ともすべて活着した。手入れも充分ではないが、今後少しずつ手をかけてやろうと思っている。
●画像下段の生垣は苗木植栽後30年以上にもなる。亡き母が朝市で20cmほどのシンパクの苗木を数十本購入してきた。「生長したら下枝を切って上方にまっすぐ伸ばすんだそうだ」そんな母の言葉が忘れられない。
●植え付け後2〜3回植え替えただろうか。その都度枯死した株も発生した。しかし枯死した株と同じような株がなかなか手に入らない。垣根のなかで数本品種の違うシンパクが混入しているのはそんな事情からである。
●生垣のシンパクは緑の濃いシンパクでお気に入りである。生垣の風通しをよくしたい!そんな思いから盆栽風に仕立ててきた。枝葉を透かす手入れもなかなか大変で根気の要る作業である。


イトヒバ・モミジを背景に
5月撮影
リンゴを背景に
10月撮影
ピラカンサの流枝を背景に
10月撮影


SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送