今回は、クロッカスとスイセンを紹介します。前庭隅のクロッカスは３月下旬に咲き終わり、４月に入った今は細長い葉を元気よく繁らせています。地中では球根が５月末まで大きく太ります。一方、裏の崖中腹に自生するラッパスイセンは３月中旬から咲きはじめ、いまでも黄色いラッパ口を広げて早春を謳歌しています。

クロッカス

◆原産地がヨーロッパ地中海地方でアヤメ科の球根です。草丈１０〜１８ｃｍの小型で鉢植えに適しているほか、水栽培もしやすく子供たちにも簡単に栽培できます。
◆花の色は黄、白、藤、青紫、絞り、などと豊富で、１つの球根から数輪咲きます。花が日中開いて夜間に閉じる・・人間に似ていますね。葉は松葉のように細長く伸び草丈が低いため、花壇植えやハンギングバスケットにぎっしり植えると、花が密生して独特のおもしろさが楽しめます。横道にそれますが、クロッカスに花が似ているサフランは、クロッカスの系統種で花色が紫の１種類しかなく、秋咲きのクロッカスともいわれます。サフランの朱色の長い雌しべは、乾燥すると世界一高価な香辛料になるそうですよ。

◆クロッカスは開花時期によって、２つの種類に分けることができます。寒咲き種は２月頃に咲きだす早咲き種で、草丈は５〜７ｃｍくらいの小輪花なので、群植すると華やかです。淡青色のブルーパール、淡黄色のクリームビューティなどがあります。もう１つの春咲き種は３月中旬〜４月上旬にかけて、大輪の花を咲かせる種類です。花の色は黄、青紫、白、絞りなど多数の品種があり、草丈は１０〜１５ｃｍで、いずれも花が咲き終わった後に細長い葉を繁らせます。

◆水栽培は簡単ですね。水栽培用のグラスか空きびんに球根を入れ、球根の下部が水面と触れるくらいに水をいれます。水ゴケを容器下部に敷くと、球根が安定し水の汚れも防いでくれます。

クロッカス「手入れのポイント」はこちら♪

◆画像は、前庭隅のクロッカスです。早春の陽ざしに花頭を向け、春の陽を楽しんでいます。

スイセン

◆ニホンズイセンは、わが国の房総半島、三浦半島、伊豆半島、紀伊半島、淡路島などの太平洋側暖地沿岸や、日本海側の越前海岸、隠岐諸島などに野生群生地があります。スイセン類のほとんどは、西アジアからヨーロッパがその原生地で、東アジアにはシナズイセンとニホンズイセンの２種があります。

◆わが国に野生するニホンズイセンは、もともと日本の原生種ではなく、元来はシナズイセンと同種のもので、非常に古い時代にシナズイセンが日本に渡来し、これが野生化したものといわれています。シナズイセンの球根が海に流され黒潮に乗ってわが国の暖地海岸に流れ着き、野生化したという有力説があります。日本海沿岸の越前海岸や隠岐諸島のものは、黒潮の支流である対馬海流によって流れ着き、野生化したと考えられています。

◆ニホンズイセンは、スイセン類のなかでも最も早咲きで、温暖地では年末から２月にかけて、ほかのスイセンに先がけて咲きます。すらりと伸びる茎上に、小輪で純白色の花弁と橙黄色の愛らしい小ラッパ弁（副花冠）をもち、すばらしい芳香を放つ花を数輪咲かせる房咲きとなります。お正月の切り花に欠かせない花でもありますね。

◆ガーデンセンターなどで絵袋詰めの品種が市販されていますが、これは西欧で品種改良された洋種ズイセンです。ラッパスイセン、大杯スイセン、小杯スイセン、八重咲きスイセン、房咲きスイセン、口紅スイセン、など多くの品種があります。

◆スイセン独特の水栽培として、カニ作りが知られています。２年〜３年たった大き目の球根の分球のそれぞれに、カッターで縦に切れ目を入れ、内部の葉と蕾を傷つけないように露出させる。露出した葉の内側をわずかに削り取ってから、球根を水盤に砂利で植え付けます。こうすると葉は伸びるにしたがい、水盤の内側に湾曲していき、あたかもカニがハサミを広げたような趣のある形態になり、葉と花の躍動感を楽しめます。

スイセン「手入れのポイント」はこちら♪

◆当家裏の崖中腹には、花弁と副花冠が黄色の小柄で美しいラッパスイセンが、日当たりが良いせいか毎年３月中旬から咲きます。画像をご覧下さい。前庭・ゴヨウマツ樹下のスイセンは咲くまでお待ちください。

◆［４月１４日追伸］：
［前庭・ゴヨウマツ樹下のスイセンが咲きました。小輪で花弁が黄色、橙色の副花冠の房咲きスイセンでした。画像をお届けします。］

◆［０３年５月追伸］：
［昨年植えたスイセンが咲きました！下記ページからご覧ください♪］
●小庭のスイセン〜その１
●小庭のスイセン〜その２
◆［０４年４月追伸］：
［スイセンが咲きました！下記ページからご覧ください♪］
●小庭の春の表情・スイセン特集