ヒラタネナシ(平核無) 11 月霜月手入れ
カキ
ヒラタネナシ(平核無)

今回は、カキを紹介します。鈴なりに実ったカキの大木・・日本の秋には欠かせない風物詩ですね!味覚の秋にはなくてはならない果実でもあります。関東以西で栽培される甘がきのさっくりした歯ざわりと甘さ、全国的に栽培される渋ガキのなめらかな歯ざわりと甘さ、どちらも美味しいですね。軒下に下がる干しガキ作りの風景にも郷愁を感じます。カキ色から茶色に、そして黒く変わる干しガキの色模様には秋から冬への季節の移ろいを感じます。


カキ

  

栽培の歴史
カキは日本、中国・朝鮮半島に原生する落葉性の高木で、樹高は12〜15mにもなります。日本には古くから栽培されており、鎌倉時代にはすでに甘ガキが栽培されていました。江戸時代には品種名や産地名が明らかになったようです。明治時代になると園芸試験場が中心となり全国から多数の地方品種を収集して、その中から「富有」のような優良品種を選抜して各地に普及するとともに、組織的な育種が行なわれ今日の基礎が築かれました。
カキの特性
●葉は互生し有柄、形は広卵形で全縁、秋には紅葉します。元来は雌雄同株ですが、園芸品種のほとんどが雑種株で、雄花をまったくつけなかったり少ないものが多くあります。雄花は集散花序をなし2〜3花をつけますが雌花は単立します。さらに、両性花をつける品種もあります。
●カキはわが国の気候風土に適していますが、甘ガキは暖地でないと渋が十分抜けないので、関西以西の地域で主に栽培されています。渋ガキは適応性が広く全国各地で栽培できますが、暖地では肉質不良になるもの、霜の降りやすいところでは凍霜害を受けやすいものがあります。一般的に耐湿性はありますが日照不足になると生理的落果が起きやすくなります。

  

カキの品種
カキは果実の甘渋、果形、受粉の有無、種子の有無などにより分類されています。ここでは甘ガキ渋ガキに分けて代表的な数品種をご紹介します。
◆【甘ガキ
●[フユウ(富有)]:
岐阜県原産の代表品種です。樹勢は強く、開張性で、枝は下垂しやすい性質があります。果実は大果、豊円で橙紅色、外観も良好です。甘味、肉質ともにすばらしく、脱渋が早く11月上旬〜中旬に収穫できます。豊産性で隔年結果も少なく、環境への適応性も広く栽培しやすい品種です。しかし、炭そ病に弱いので雨の多い地方での栽培は不向きですし、秋冷の早い地域では脱渋が不完全になることがあります。
●[ジロウ(次郎)]:
静岡県原産の代表的な品種です。愛知県で多く栽培されています。樹勢は強くやや直立性、果実は大果、扁平で果頂部がわずかにくぼんでいます。肉質もよく、脱渋も早い優良品種です。豊産性で毎年よく結果し、10月下旬に収穫できます。炭そ病には強い品種です。
●[イズ(伊豆)]:
当時の農林省で育成した早生種で、甘味が多く、肉質も良好な品種です。
●[マツモトワセフユウ(松本早生富有)]:
フユウ(富有)の枝変わりで、フユウより約2週間ほど早く熟します。
●[ゼンジマル(禅寺丸)]:
関東地方で古くから栽培されている品種です。果実は円形で条紋があり品質はやや不良ですが、雄花を有するので受粉樹として重要な品種でもあります。10月上旬〜中旬に熟します。
●[その他の甘ガキ]:
肉質がよく雄花が着生するゴショ(御所)・オクゴショ(晩御所)、晩生種のスルガ(駿河)、その他アマヒャクメ(甘百目)・ミズシマ(水島)・キャラ(伽羅)・クボ(久保)・トヨオカ(豊岡)などがあります。

  

◆【渋ガキ
●[ヒラタネナシ(平核無)]:
新潟県原産で「八珍柿」・「庄内柿」・「おけさ柿」などの名で親しまれています。木は強勢で大木となります。発芽が早いので晩霜の被害を受けやすい。果実は扁平で、肉質は良好、品質は優れています。10月中旬〜下旬に収穫できます。
●[アイズミシラズ(会津身不知)]:
福島県原産で「たる柿」の名で有名です。豊産性の品種です。
●[ヨツミゾ(四溝)]:
静岡県原産で豊産性、単為結果性も強い品種です。小果ですが甘味、肉質、脱渋性にすぐれ、品質は優秀です。
●[サイジョウ(西条)]:
広島県原産で木は強く、直立性です。果実は長円形で甘味多く、脱渋も容易で品質は優良です。
●[その他の渋ガキ]:
コウシュウヒャクメ(甲州百目)、ヤマトヒャクメ(大和百目)、ヨコノ(横野)、ハガクシ(葉隠)、ドウジョウハチヤ(堂上蜂屋)、エモン(衣紋)、ギオンボウ(祇園坊)、イチダガキ(市田柿)、アタゴ(愛宕)などの優秀な地方品種があります。


  

カキの仕立て
●カキは寿命が長いので若木のうちから骨組みをしっかり作る必要があります。直立性の木は変則主幹形、開帳性の木は開心自然形に仕立てます。カキの結果習性は、ミカンやクリと同じように、結果母枝の先端付近の芽から出た新梢に着果するので、実をならせるためには先端を切らないようにします。
●強い枝を出させるためには先端を切り返します。カキの枝はもろく折れやすいので、骨組みを作るときは同じ場所から枝を何本も出さないようにします。分岐角度の狭い枝は残さないこと、二股や三股の枝は作らないようにしましょう。また、木の内部に光がよく入るように、重なり合う枝や込み合う枝は取り除きます。木が大きくなりすぎたら、枝を強く切り返して小さく仕立てることもできます。
●剪定は休眠期に行ないますが、樹形を整えるためには夏期に新梢を剪定することも行われます。
●よい果実を毎年結実させるためには摘果、剪定などを十分行います。受粉しない結果不良の品種にはゼンジマルの雄花などから花粉を採取し人工受粉を行います。結果過多は果実の品質を低下させるだけでなく、木を弱め隔年結果を起こすおそれがあります。

  

カキの収穫と利用
●樹上でよく着色した果実を収穫します。未熟果や過熟果は品質が低下しますし、日持ちも悪くなります。
●渋ガキは脱渋をして食べます。種々の脱渋法がありますが、アルコールを使う方法が簡単です。35%ホワイトリカーをカキのヘタにしみこませ、ヘタ部を上にしてビニール袋に入れ密封するだけである。アルコールが渋味の原因であるタンニンに作用してこれをかたまらせるため渋が抜けます。7〜10日で脱渋ができます。
●その他には干しガキやクッキー、羊かんなどの菓子類にも利用されます。干しガキを水分の残っている状態で煮つめてカキジャムにしても美味しいですよ。

  

カキ手入れのポイントはこちら♪

花ボーダー

ヒラタネナシ(平核無)  
  ヒラタネナシ(平核無)観てね♪

◆当家のカキは渋ガキのヒラタネナシ(平核無)である。裏庭の車庫の屋根越しに日の当たる場所で、しかもキウイの棚と実ウメの間に挟まれ十分に枝葉を伸ばせる状態ではなく少し可愛そうでもある。それでも毎年50個前後の実をつけてくれる。今年は280grの大きな実をつけた。

  
   ヒラタネナシ(平核無)
ヒラタネナシ(平核無)
カキの葉の紅葉
カキの葉の紅葉
  

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