【カキの品種】
カキは果実の甘渋、果形、受粉の有無、種子の有無などにより分類されています。ここでは甘ガキ、渋ガキに分けて代表的な数品種をご紹介します。
◆【甘ガキ】
●[フユウ(富有)]:
岐阜県原産の代表品種です。樹勢は強く、開張性で、枝は下垂しやすい性質があります。果実は大果、豊円で橙紅色、外観も良好です。甘味、肉質ともにすばらしく、脱渋が早く11月上旬〜中旬に収穫できます。豊産性で隔年結果も少なく、環境への適応性も広く栽培しやすい品種です。しかし、炭そ病に弱いので雨の多い地方での栽培は不向きですし、秋冷の早い地域では脱渋が不完全になることがあります。
●[ジロウ(次郎)]:
静岡県原産の代表的な品種です。愛知県で多く栽培されています。樹勢は強くやや直立性、果実は大果、扁平で果頂部がわずかにくぼんでいます。肉質もよく、脱渋も早い優良品種です。豊産性で毎年よく結果し、10月下旬に収穫できます。炭そ病には強い品種です。
●[イズ(伊豆)]:
当時の農林省で育成した早生種で、甘味が多く、肉質も良好な品種です。
●[マツモトワセフユウ(松本早生富有)]:
フユウ(富有)の枝変わりで、フユウより約2週間ほど早く熟します。
●[ゼンジマル(禅寺丸)]:
関東地方で古くから栽培されている品種です。果実は円形で条紋があり品質はやや不良ですが、雄花を有するので受粉樹として重要な品種でもあります。10月上旬〜中旬に熟します。
●[その他の甘ガキ]:
肉質がよく雄花が着生するゴショ(御所)・オクゴショ(晩御所)、晩生種のスルガ(駿河)、その他アマヒャクメ(甘百目)・ミズシマ(水島)・キャラ(伽羅)・クボ(久保)・トヨオカ(豊岡)などがあります。 |