フクジュソウ・福寿海 3 月弥生手入れ
フクジュソウ
フクジュソウ・福寿海

今回は、フクジュソウを紹介します。キンポウゲ科のフクジュソウ(福寿草)は「新年を寿ぎ祝福する」というところからつけられた名前です。早春に輝くばかりの黄金色の花を咲かせるので昔から吉祥木(吉祥の植物)とされてきました。ガンジツソウ(元日草)、チョウジュソウ(長寿草)、ガショウラン(賀正蘭)などの別名がありますが、これらはいずれもお目出度い名前ばかりです。庭の日だまりのなかで咲くフクジュソウ・・正月用の寄せ植えのフクジュソウ・・どちらも素敵ですね!フクジュソウを1株育ませんか♪


フクジュソウ

  

◆フクジュソウの原産地は日本を含む中国東北部、朝鮮半島などのアジア、ヨーロッパ、北アメリカに広く分布し世界中で25種ほどが知られています。日本には北海道から九州に至る山野に自生し、野生種の群落が見られます。
◆フクジュソウには2つのグループがあります。1つは、ヨーロッパ原産の1年草で赤い花が咲きます。もう1つが日本原産の多年草で黄色の花が咲きます。早春に黄金色の花を咲かせ福寿という縁起のよい名前がつけられ、古くは江戸時代から正月の飾り花とされ大切にされ吉祥木として珍重されてきました。ここでは日本原産の宿根性フクジュソウについて紹介します。

◆【フクジュソウの性質
●フクジュソウは鉢植えや松竹梅と寄せ植えにして元日の花として愛でられてきました。耐寒性のある秋植えの宿根草で、半日陰と排水のよい土壌を好みます。花は日光に当たると開き弱光になると閉じる性質があります。
●草丈15〜20cm、短い根茎から多数の太くて長い黒褐色の根を出し、この根は晩春に地上部が枯れてもしばらくの間は活動しています。葉はニンジンの葉に似た羽状で、花は春に伸びた茎の先端に新しい葉とともに1花咲きます。花径は3cm内外で花色は黄色、2月〜3月に開花します。

◆【フクジュソウの品種
●フクジュソウのなかでは最も市場に出回っているポピュラーな品種に、八重咲きの「福寿海」という品種があります。花色では黄色のほかに紅や白があり、咲き方では一重咲き、八重咲きのほか、花弁の先端が細く裂けるナデシコ咲き、花の中から花が咲く三段咲きなどがあります。
[黄花系統種]:福寿海・福禄寿・金世界・寿・大鳳・撫子・金鵄・金采・
菅原・魚子・小波錦
[紅花系統種]:秩父紅・日の本・紅撫子・日本紅
[白花系統種]:弁天・銀世界・紫雲

◆【栽培のポイント
●花芽は秋に分化し11月半ばには完成しますので、鉢植えにする場合は、このころから鉢に植えつけて、明るい室内に置いてガラス越しの日光に当て、徐々に保温、保湿を行い開花させます。
●購入したばかりの開花株の場合は、花後に花の咲きがらを取り除き、できれば植え替えを行います。赤玉土6、腐葉土4くらいの用土に植え付け後は、地上部が枯れるまで10日に1回液肥をやります。通常は花後にお礼肥(緩効性有機肥料)を置肥し日当たりのよい戸外に出します。また、鉢から株を抜いて排水のよい落葉樹下などの半日陰の庭に植えて、晩秋までに株を充実させます。
●鉢植えの植え替えは、毎年または隔年に1回、時期は11月中旬〜12月上旬に行います。根は長いものでもなるべく切らず広げて土になじませるようにし、芽が半分ほど出る深さに植えます。
●冬から晩春までは日が当たり、夏から秋は半日陰になる場所が栽培に適します。鉢植えの場合は、冬には明るい縁側などの暖かい場所に置きましょう。
水やりは鉢土の表面が乾いたら与えます。晩春に落葉し夏に休眠しますが、休眠中も地下の根は生きていますので、水やりを忘れないようにしましょう。
株分けは11月中〜下旬に芽や根を傷めないように注意して株を起こし、鋭利な刃物で2〜3芽に小分け、または7〜10芽に大分けします。
●お正月の元日に咲かせるべく開花促成を行う場合は、浴室に入れ湯気に合わせるなど温度10〜15℃、湿度60%以上にします。また、芽先をわずかに鋏で切ると開花がより促進されます。

◆【フクジュソウ伝説
●[アイヌ伝説]:
長い間雪に閉じ込められるアイヌの村では、蓄えてある干魚も底をついた頃、糸魚(いとよ)の訪れを知らせるかのように咲くフクジュソウを「糸魚の花」と呼び開花を何よりも待ちわびていた・・という伝説があります。
●[西洋の伝説]:
フクジュソウの学名の属名はアドニスですが、アドニスはギリシャ神話のハンサムな王子の名前です。アドニス王子は美女ヴィーナスに愛されていましたが、あるとき猪の牙にかかって死んでしまいました。このとき王子の体から流れ出た血のあとに美しい赤い花が咲きました。その花が1年草のフクジュソウでアドニスと命名されてといわれています。


  

◆【当家のフクジュソウ
●鉢植えのフクジュソウは今年のお正月、当町の「花とみどり館」で購入したもので八重咲きの「福寿海」です。促成栽培は行わず縁側の日だまりでようやく咲きました。花後の管理も考えなくてはいけません。この鉢のままでは来年はおそらく咲かず、しかも株が充実する保証もなさそうです。
●フクジュソウは茎や葉に対して根の多さはその何倍かで、根の生育を阻害すると花が咲きません。鉢植えで毎年花を咲かせる難しさがここにあります。大鉢に植え替えるか庭植えにするかになりますが、今のところは庭植えにして株の充実を図ろうと考えています。花後は半日陰になるような落葉樹の東側などが適地ですが・・。

鉢植えのフクジュソウ・福寿海
フクジュソウ・福寿海 観てね♪
フクジュソウ・福寿海
フクジュソウ・福寿海

松竹梅盆栽のフクジュソウ
  寄せ植えのフクジュソウ

松竹梅盆栽に寄せ植えされたフクジュソウの開花です。2000年の早春、梅花も散りフクジュソウだけが咲いていた本鉢を購入しました。その後2年間は茎葉だけでしたが今年3年目での開花です。毎年咲かせることの難しさを実感しています。

  
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