今回は、グラジオラスを紹介します。グラジオラスの名前（属名）はラテン語の剣（つるぎ）の意味で、葉の形から名づけられたものです。春咲きと夏咲きがありますが、ここでは春植えの夏咲きグラジオラスを紹介します。グラジオラスは生花材料や花壇用として貴重な花です。色彩はない色がないというくらい豊富で青や緑色の花もあります。雄大な花穂に数多く咲く花は本当に豪華で美しいですね！

グラジオラス

◆【グラジオラスの性質】
●グラジオラスは別名をトウショウブともいい、アヤメ科・グラジオラス属の春植え（または夏植え）の球根草です。
●原産地は南アフリカ、地中海沿岸地方、小アジアといわれますが、イギリス、カナリー諸島、西・中央ヨーロッパ、地中海沿岸、西アジア、熱帯・南アフリカに約３００種の原種があるといわれています。
●夏咲き種は花が大きく花穂も雄大で小花が２０輪以上もつき、葉や茎も太く大きい。球根も大球です。（春咲き種はほとんどの品種が細く草丈も低く、花は小輪で花つきも少ないが、清楚な感じで香りがあるものがあります）
●植え付けから開花までの開花日数により極早生種から晩生種までに分類されています。開花日数は７０日〜１００日の範囲です。

◆【栽培の歴史】
●１７世紀ごろアフリカからヨーロッパに新しい品種が導入されました。改良ははじめフランスから、イギリス、ドイツ、ベルギー、オランダ、北米へと広がって育種が行われました。今日ではアメリカ、カナダがもっとも盛んに品種改良が行われています。
●日本へは徳川時代の末期に導入され、唐菖蒲（トウショウブ）と呼ばれました。明治に入ってからは育種も始まり、種子からの育成も行われています。

◆【園芸品種】
●黄色系、橙色・サーモンピンク色系、ピンク・ローズ色系、赤色系、藤色系、青・紫色系、白色系がありますが、早生・晩生種、花や草丈の大きさ、花弁の形状、ぼかし・覆輪・斑入りなど、それぞれに特徴をもつ多くの園芸品種があります。植栽環境やお好みにより品種を決定しましょう。

◆【グラジオラスの楽しみ方】
●グラジオラスの色彩はない色がないといってよいほど豊富です。青や緑色までありますね！
●形も多彩な変化があり、頭巾をかぶったようなプリムリナス形、平弁形、波状形、ラン咲き、受咲き、八重咲き、オーム咲きなどがあります。さらに中央の喉部に美しいブロッチを彩るもの、花弁の縁に覆輪をあらわす花など変化に富んだ花容は圧巻です。
●花の大きさは最大径が、ミニチュアでは６ｃｍ、小輪は９ｃｍ、中輪は１１ｃｍ、大輪は１４ｃｍ、巨大輪は１４ｃｍ以上です。
●切り花は非常に水あげがよいので、２輪くらい開花したころに切るのがよいでしょう。切りとった花は温度が低いほど花がもちます。花瓶の中を清潔にし氷を入れたりするのも花の寿命を長くする助けになります。

◆【グラジオラスの管理と手入れ】
●[植え付け]
暖地では１２月からできます。抑制栽培では４月中旬以後７月まで植え付けが可能で、開花日数を逆算して植え込みますと開花時期を遅らせて９月末ごろまで花を観賞できます。鉢作りの場合は６号鉢に大球を１球植えます。矮性種がよいと思います。プランターなどは大形のものを用い１２ｃｍの間隔に植えます。
●[植え付け後]
植えた後は十分に水を与え表土が乾いたら潅水します。草丈３０ｃｍのころ配合肥料などの追肥も行います。浅植えの場合は土寄せも行い支柱などで倒伏を防ぐことも必要です。
●[開花後]
球根を殖やすためには花後に花の首部から折りとって葉を１枚でも多く残すほうが球根のためにはよい。切り花にする場合は葉を３〜４枚残し、はさみを斜めに入れ残す葉をやや広げるようにして切ります。その後も極端に乾燥させないように育て、全葉が黄変したら球根を堀上げます。

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◆春植え球根の栽培「ガーデニング豆知識」はこちら♪

◆【当家のグラジオラス】
●今年購入した球根５品種１０個と旧球根１０個を４月１６日にプランターに植え付けました。土寄せ、倒伏防止、追肥などに留意し育成。７月上旬から８月初旬まで１ヶ月近く花を楽しむことができ、また、切り花がお部屋を明るくしてくれました。
●今年購入した黄緑のグリーンアイル、紫のオベリスク、黄・橙のゴールデンゲーム、赤白のビザール、ピンクのハイスタイル、各２個・１０個ともきれいに咲きました。
●１昨年、昨年と花つきが悪く太らない旧球根１０個は、２品種（品種不詳）が数本咲きました。