◆【ヤマザクラの性質】
●ヤマザクラ(山桜)は本州の宮城県・秋田県以南、四国、九州、朝鮮半島南部に分布する高さ15〜25mに達するバラ科の落葉高木です。4月上・中旬ごろ、黄緑色ないしは赤茶色の若葉とともに淡紅白色の五弁花が散房状に咲きます。
●花径2.5〜3cm、萼片の縁に鋸歯がなく、花柄、花柱ともに毛がありません。果実は球形で5〜6月に赤から黒く熟します。葉は互生し葉柄の上部に密腺があり、長だ円形で長さ7〜12cm、先は急に細くとがり、葉の裏面は白みがあります。八重咲きも見られます。
◆【サクラの種類】
●[オオヤマザクラ](エゾヤマザクラ) 花は紅色でベニヤマザクラともいわれ、本州中部以北、北海道、サハリン、南千島、朝鮮半島に分布し、ヤマザクラよりは寒地でよく育ちます。葉はだ円形で基部はやや心形です。
●[カスミザクラ] 葉裏や花柄に立った毛が多く、葉の裏面には白みがありません。ナラノヤエザクラはカスミザクラの八重咲きで葉に毛があります。
●[オオシマザクラ](大島桜) 本州の房総半島、伊豆半島、伊豆七島に分布し、花は白色で赤みがなく萼も緑色で萼片に鋸歯があります。葉はやや大きく鋸歯の先は毛状になっています。葉は桜餅を包むのに用いられます。
●[サトザクラ] オオシマザクラを主体としてできた園芸品種の総称で、花は一重、八重、菊咲き、色も白、淡紅、濃紅、黄緑色など変化に富み、4月中・下旬に開花します。200種以上の品種があります。
●[エドヒガン] 本州、四国、九州に分布し、3〜4月ごろ葉の出る前に淡紅白色、花径約3cmの花が開きます。萼筒の下部がふくらみ花柱、花柄ともに毛があります。小枝は細く葉は長だ円形で毛があります。変種に淡紅・一重咲きのシダレザクラ(枝垂桜)があります。
●[マメザクラ](豆桜) フジザクラ(富士桜)ともいい関東、甲信、東海道の一部に分布し、花は淡紅〜白色・一重〜八重咲きで花や葉が小形です。
●[ヒガンザクラ](彼岸桜) コヒガンザクラともいい、エドヒガンとマメザクラの雑種です。花は淡紅・一重咲きです。
●[ソメイヨシノ](染井吉野) オオシマザクラとエドヒガンの雑種で、葉に先だって花を開き、萼、花柱、花柄ともに毛があります。花は淡紅・一重咲きです。
●[ヒザクラ] カンヒザクラ(寒緋桜)ともいわれ、台湾原産で濃紅色半開の花が3月中旬に垂れて咲きます。九州南部や沖縄ではお正月にも開花します。
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